これからますます話題に
最近よく耳にするようになっている「eスポーツ」。海外では2000年代から人気が沸騰し、いよいよ日本にもその波がやってきました。国内でもeスポーツのプロ選手、プロチームが誕生し、若い世代では、プロを目指すプレーヤーも少なくありません。
国内外で、大きな大会も続々スタート。2018年のアジア大会で公開競技になり、2019年10月の茨城国体には「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」として加わっています。さらには今後オリンピックの正式種目になるかも!?という見立ても。もはや「ゲーム」という域を超え、新たなスポーツ競技・eスポーツは一大ムーブメントになりつつあります。
とはいえ、どんなスポーツもケガなどのトラブルは付きもの。eスポーツの場合はオンラインゲームを利用するだけに、やり過ぎやネット上のトラブルといった、eスポーツならではの”ケガ”の可能性もあるでしょう。プロを目指す人も趣味で楽しむ人も、また観客として参加する人も、気を付けたいポイントをまとめました。
そもそもeスポーツって?
eスポーツは「エレクトロニック・スポーツ」の略称で、コンピューターゲームを使った“対戦競技”。技と判断力を生かした息をもつかせぬアクションや、高度な駆け引きが見どころです。 1970年代からアメリカでゲーム大会が始まった記録があり、1997年頃からは、各国でプロリーグが設立されるように。インターネットの普及も相まって、オンラインゲーム人口自体も増えていきました。欧米ではチェスなどのボードゲームの試合も「スポーツ」と呼ぶ歴史があったのも、海外で「eスポーツ」に火が付きやすい要因だったのかもしれません。
現在、eスポーツは世界で競技人口1億人を超え、韓国などのアジア諸国でも大人気。2018年のアジア大会では、日本代表が「ウイニングイレブン」で優勝するというニュースもありました。そしてオリンピックでも、2024年パリ大会の正式競技となる可能性があると噂されています。
今や大企業がスポンサーとして名乗りを上げ、賞金総額数十億円規模の大会も行れるように。トッププロはゴルフやテニスの選手のように、各地の大会を転戦しながら、賞金やスポンサー契約だけで生活できる時代となっています。またYoutuberとしてプレー動画の配信で収入を得たり、解説者やメディア出演をしたりと、eスポーツ選手の活躍の場は広がりつつあります。
「見る」面でもeスポーツはオンライン配信になじみやすく、世界中でファンが視聴。さらにESPNのようなスポーツ放送局でも人気コンテンツに成長しています。「League of Legends」は世界で最もユーザー数が多いオンラインゲームですが、その2018年世界大会決勝は、韓国のサッカースタジアムを会場に行われ、2万3000人が現地観戦。そして9960万人が18カ国語のストリーミング配信を視聴したのです。
またプロとしてeスポーツに関わる以外にも、真剣に取り組んだ経験が社会の中で生かされることもあるでしょう。デジタルに親しみながら磨いた、高い集中力と一瞬の判断力、相手を出し抜く発想は、例えばセキュリティエンジニアとしても欠かせない資質として、マカフィーが求めているものでもあります。
eスポーツの“ケガ”を防ぐ
デジタル時代の新たな文化として発展しているeスポーツ。一方で、スポーツには“ケガ”がつきもの。オンラインゲームを利用するeスポーツでいえば、ゲームやネットにかかわる落とし穴に足を取られるかもしれません。
たとえ競技のためであっても、長時間だらだらとゲームをしているだけではトレーニングにはならず、依存のリスクも大きくなります。WHOは2018年に「ゲーム障害」を病理認定。「やめたくてもやめられない」「ゲームをしたい気持ちを我慢できない」なら、治療が必要な状態になっている可能性があります。
こうした子どもの課金トラブル防止には、決済のために子どもの顔認証や指紋認証を登録しないこと。子どもの生体認証でできるのは、スマホのロック解除までにとどめ、支払い機能や、使わせなくないアプリではオフの設定にしておくのがおすすめです。
また多くの一流プレーヤーは、マナーも一流です。対戦相手やチームメート、同じゲームのコミュニティなど、オンラインの人間関係をぜひ大切に。もちろんトラブルは、失礼な言動や行動だけではありません。プライバシーをばらしたり、よく知らない人物とアイテムの取引をしたり、子どもが親のクレジットカードで勝手に有料アイテムを買ったりしてトラブルになるケースも。そんな「リアルではやらないこと」をしないのもオンラインのマナーといえるでしょう。
eスポーツをけがなく楽しむためのポイントを下にまとめてみましたので、こんな項目を参考に、プレーや観戦を楽しんでください。
eスポーツを楽しむための7か条
遊びすぎない
時間を守ってプレーしてこそeスポーツのアスリート。コンディションを整え、学校や仕事と両立することでいいプレーが続けられます。
人間関係もフェアプレー
暴言は“レッドカード”。通信回線の向こうにいる対戦相手やチームメートの気持ちを考えた行動を心掛けましょう。自分が腹が立つような行為を受けても無視して、フェアプレーを続けましょう。
個人情報を書き込まない
ゲームや配信サイトのチャット機能などに、名前や連絡先をはじめ、自分や友達の情報を書き込まないようにしましょう。
子どもだけで課金しない
どのアイテムが有料なのか課金の仕組みを知り、親子で話し合ってから利用を。保護者はクレジットカード番号などをむやみに教えないようにしましょう。
知らない人とは距離感を
アイテムの交換や売買に誘うふりをして、アイテムを盗もうとする“ダークサイド”の住人も少なくありません。そもそも、多くのゲームでは取引が禁止されているので、誘いに乗るだけでアカウント停止の可能性も。また実際に会おうと言われても、原則として直接会うことはおすすめしません。
便乗アプリは使わない
攻略アプリなどの中には、危険なマルウェアや不正アプリが存在しています。
デバイスを最新バージョンに
パソコン、スマホ、ゲーム機のOSやファームウェアは、機能やセキュリティを高める更新が随時提供されています。最新に保つとともにセキュリティソフトも使用し、安心できる環境でプレーを楽しんでください。